シャサーニュ・モンラッシェ (Chassagne-Montrachet)
世界最高峰の白ワイン産地
シャサーニュ・モンラッシェは、ブルゴーニュの中心地、ボーヌ市から南西へ12kmほど下った人口300人の小さな村です。
村の西側にある 1er Cru (一級畑) ラ・ロマネが示すように、ローマ人が開墾したことにはじまるシャサーニュ・モンラッシェのぶどう畑は、中世にヴェネディクト派やクリュニー派の修道士がぶどう畑の拡張を進めて名声を高めます。
15世紀に、ルイ11世によって村が焼き払われて衰退するも、メジエール修道会が村とぶどう畑を再興、18世紀にクロード・アルヌーがワインの解説書でシャサーニュ・モンラッシェのワインを称賛したことなどが契機になって世界的な名声を獲得していきます。
シャサーニュ・モンラッシェのぶどう畑は、村の北西側にある「ブラニィの丘」を起点とする南東向きの緩やかな斜面に広がっています。
ピュリニー・モンラッシェとの境界線近くに3区画の世界的な名声を誇る白ワインの Grand Cru (特級畑) を擁し、「ブラニィの丘」の高地には、19区画(クリマ)の 1er Cru (1級畑)が連なっています。
シャサーニュ・モンラッシェの白ワインは、ピュリニー・モンラッシェのワインに比べると柔らかく豊満、優しくリッチで豊満です。
伸びやかな余韻を伴い、アカシア、アーモンドのような香り、緑色を帯びた輝く金色のワインで、熟成とともに金色は深みを増し、芳香は、はちみつや洋ナシのような香りを伴うようになります。
また、シャサーニュ・モンラッシェは、高品質な赤ワインの産地としても知られています。
シャサーニュ・モンラッシェの赤ワインは、鮮やかな輝く色調を持ち、チェリーのような芳香は、スパイスのニュアンスを伴い、ボディはフルーティで肉付きが良く、熟成を経ると凝縮度と複雑さが増していきます。
実は、19世紀中頃まで、シャサーニュ・モンラッシェは赤ワインのみの産地でした。
現在でも、シャサーニュ・モンラッシェから生産されるワインの4割は赤ワイン、いずれも高品質なワインです。
柔らかくリッチで豊満、伸びやかな余韻を伴う傑出したワインが生産される!!
傑出した特級畑、一級畑
シャサーニュ・モンラッシェにある3つのGrand Cru (特級畑)、「モンラッシェ」、「バタール・モンラッシェ」、「クリオ・バタール・モンラッシェ」のクリマは世界最高峰の白ワイン区画として絶賛され、ワイン・ファンにとって憧れの存在です。
そのなかでも、「モンラッシェ」は、「世界最高峰の白ワイン」「白ワインのプリンス」「白ワインの王」と称賛される憧れのワインです。
また、シャサーニュ・モンラッシェの 1er Cru (一級畑) で評価の高いクリマとして、「レ・カイユレ」、「ラ・ロマネ」、「モルジョ」、「ブランショ・デシュ」、「クロ・サン・ジャン」、「レ・シャン・ガン」、「レ・シュヌヴォット」「ラ・マルトロワ」「ブードリオット」「レ・ショーメ」「レ・ヴェルジェ」「レ・グラン・リュショット」などの区画が挙げられます。
これらの区画の中で、最上区画は、「レ・カイユレ」、「ラ・ロマネ」と言われ、著名なワイン評論家、ヒュー・ジョンソン氏は、次のように評価しています。
「レ・カイユレ」
「ここは石が多く、表土が浅いのが特徴の畑である。それはシャルドネに最適の土壌で、一貫して上質な 1er Cru (一級畑) のワインが生まれる。時に最上のシャサーニュとなる。」
「ラ・ロマネ」
「その名前は古くからぶどう栽培が行われてきたことをうかがわせる。そしてワインも非常に高い質を示す。白はややスパイシーで多くがエキゾチックな芳醇な風味を持ち、カイユレほどのミネラルは感じられないが、しばしば、シャサーニュの最上の 1er Cru (一級畑) の座をカイユレと競い合っている。」
極上ワインを生む土壌、歴史
シャサーニュ・モンラッシェの「シャサーニュ」は、ラテン語の Casa (家・住居)、Montrachet は「禿」 (Rachet) 「山」 (Mont) に由来、すなわち「禿山の家」という意味になり、ローマ帝国の統治時代より村落があったことを伺い知ることができます。
Montrachet 「禿山」が意味するように、大理石の基盤層とその上にある石灰質の土壌は、ぶどう栽培には最適なものの、他の植物には向かない土地で、元々は石灰岩がむき出しになった木々の生えない土地だったそうです。
実際、シャサーニュ・モンラッシェには、石灰石や大理石の採石場があり、大理石のから採掘される大理石は、パリのトロカデロ宮やルーヴル・美術館のピラミッドなど、歴史的な建造物に用いられています。
シャサーニュ・モンラッシェの名前を最初に確認できるのは、886年に作成された特許台帳であり、長い歴史のある産地であると確認できます。
一方で、シャサーニュ・モンラッシェの村落は、15世紀に破壊されるという悲しい歴史を持っています。
ルイ11世は、ブルゴーニュを征服した際、シャサーニュの城を破壊、多くの家と教会を徹底的に焼きました。
ルイ11世の報復行為はその後も容赦なく、それゆえシャサーニュ村の住人たちは、Les Machures (虐げられた人々)と呼ばれてきました。
悲しい歴史を背負ったシャサーニュ・モンラッシェですが、1728年にクロード・アルヌーが、ブルゴーニュワインの解説書を世界で初めて出版すると「モンラッシェは、フランスで最も高品質かつ特徴のあるワインである。その絶妙なる性質は、ラテン語でもフランス語でも正しく言い現わすことができない。」と絶賛されます。
クロード・アルヌーの高評価もあり、シャサーニュ・モンラッシェの傑出したワインは、広く知られていきます。
この頃 (18世紀~19世紀中頃) のシャサーニュ・モンラッシェは、現在の姿とは異なり、赤ワインのみの銘醸地でした。
19世紀後半にフィロキセラによる被害を受けてから、その対策として白ワインの生産が増えていきましたが、現在でもシャサーニュ・モンラッシェから生産されるワインのうち約4割は赤ワインです。
卓越した生産者一覧
著名なワイン評論家ヒュー・ジョンソン氏は、素晴らしい造り手として、以下の生産者を紹介しています。
・ジャン・ノエル・ガニャール (Jean-Noel Gagnard)
「ここには1つの Grand Cru (特級畑)、9つの白と2つの赤のシャサーニュ・モンラッシェ、1つの赤のサントネイ 1er Cru (一級畑) クロ・タヴァンヌがある。そのため選択の幅はかなり広い。しかし最も重要なことは、ここはシャサーニュ・モンラッシェのための最適なドメーヌであるということだ。」
・ラモネ (Ramonet)
「ここはシャサーニュ・モンラッシェで始まり、シャサーニュ・モンラッシェで終わるドメーヌである。そしてピュリニーでさえも、そのシャサーニュの優等生の後にテイスティングされると、恥ずかしい思いをすることが度々ある。」
・ピエール・イヴ・コラン・モレ (Pierre-Yves Colin-Morey)
「ピエール・イヴは、そのワインが、彼自身のバタール・モンラッシェと比べても十分にそれを越える酒質を示さない限り、そのモンラッシェを彼のラベルで売り出すことはしない。」
・デュ・デュック・ド・マジェンタ (du Duc de Magenta)
「掘り出し物を見つけたい人には、このドメーヌがお奨め。ドメーヌの 1er Cru (一級畑) アベイ・ド・モルジョは、古典的なシャサーニュ・モンラッシェの個性を持ち、価格もとても手頃である。」
・ベルナール・モロー・エ・フィス (Bernard Moreau et Fils)
「シャサーニュ・モンラッシェ・ブランは、これよりも美味しくて手ごろな価格の村名呼称ワインはなかなか見つからないだろう。1er Cru (一級畑) ラ・カルドゥーズは、陶然とさせられるワインで、まさにこれが自分が欲していたものだと確信させられるはずだ。」
・ポール・ピヨ (Paul Pillot)
「『僕らは古典的なスタイルが好きだ』と言う。確かにこのドメーヌのワインは、それが生まれてくるぶどう畑とヴィンテージの違いを鮮明に表現する。」
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