サン・トーバン (Saint Aubin, Bourgogne)
知名度低いも優れたワインを生産
サン・トーバンにはガメイ (Gamay) という小さな集落があり、ボジョレー地区で栽培される赤ぶどう品種の「ガメイ」は、この集落の名前に由来すると言われています。
サン・トーバンは、良質なワインが生産される産地として知られるものの、知名度が低い為、市場価格は、隣接するピュリニー・モンラッシェの50%~70%程度と、値頃感ある良心的な水準です。
著名なワイン評論家 R. パーカー氏は、「ブルゴーニュのアペラシオンのすべてが、家を2回抵当に入れなければ買えないほどの、超高値の、露出過剰の、超グラマーなワインというわけではない。サン・トーバンは、ブルゴーニュ愛好家のパラダイスである。若くて、精力的で、志の高い生産者が揃っており、同時にブルゴーニュで最高の品質の赤と白を生み出す能力を備えた傑出したぶどう畑が目白押しである。」と潜在能力を高く評価しています。
が秀逸!!
バランス良く、気品あるワイン
赤・白ワインの生産比率は、赤ワインが25%、白ワインが75%と白ワインが主力であり、白ワインの評価が高い産地です。
サン・トーバンの白ワインは、淡い黄金色の色調、白い花、火打石、オレンジのアロマを伴い、気品に満ちています。
サン・トーバンで最高評価の区画は、ピュリニー・モンラッシェの Grand Cru (特級畑) であるシュヴァリエ・モンラッシェ (Chevalier-Montarachet) の畑に近接している 1er Cru (一級畑) のアン・レミー (En Remilly) やレ・ミュルジュ・デ・ダン・ド・シアン (Les Murgers des Dents de Chien) と言われ、これら区画から造られる白ワインは、堅固で愛らしく、バランスよく繊細、過剰でない豊満さと高い気品を備えた素晴らしいワインです。
サン・トーバンの赤ワインは、白ワインほど優れた評価ではないものの、チェリーやカシスの心地よい香りがあり、滑らかなテクスチャと引き締まった酸が綺麗であり、精妙さが特徴的なワインとして知られています。
卓越した生産者一覧
著名なワイン評論家、ヒュー・ジョンソン氏は次のようにコメントしています。
ユベール・ラミー (Hubert Lamy)
「ドメーヌのワインはすべて非常に質が高い。たとえば、そのサン・トーバンが、他の生産者の2倍の価格を享受できているという事実からも明らかだ。」
「どれか1つを選べと言われれば、レ・ミュルジュ・レ・ダン・ド・シアンを推奨したい。こちらも同様に濃密で、ミネラルが秀逸である。」
ジル・ブートン (Gilles Bouton)
「ぶどう畑は、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェまで広がっているが、ドメーヌが最も力を注いでいるのが、サン・トーバンの赤と白である。この地の多くのドメーヌとは異なり、ジルは彼のピノ・ノワールに愛着があり、それゆえここではワインの60%だけが白である。
ジルは殆どすべてのボトル、6万本を1人で造っているが、その大半は個人顧客に販売され、現在輸出は、まったく行われていない。ワインはとても上質で、価格はとても手頃なのだから、個人顧客の長いリストがあるのは当然である。」